第26回例会 ~職場訪問例会~

会長挨拶(工藤 涼二会長)

「地方自治」

皆さん こんにちは。

本日は、1月17日で、先ほど黙祷をしていただきましたが、24年前に阪神淡路大震災に襲われた日です。この時刻には、長田や魚崎に火災が起こって多くの市民の方が犠牲になるなど、思い起こすと今でも胸が痛みますが、寺田寅彦先生の「天災は忘れた頃にやって来る」の至言を常に心において、今後30年の間に来る確率が70%ともいわれる南海トラフ地震にも備えたいものです。

さて、今日は山下会員のお骨折りで神戸市会の会議場などを見せていただくことになりました。今、私は「市会」と言いました。普通は「市議会」というところが多いと思いますが、神戸は「市会」なのだそうです。ですから、山下会員も「市議会議員」ではなく「市会議員」なので、注意してください。山下会員は非常にフレンドリーな方なので、日頃、われわれが「山ぴー」とか「てんてん」などと呼んでもニコニコして許してくださいますが、いったん神戸市庁舎に入れば「山下先生」ですから、多くの市職員がおられるところで間違っても普段どおりの呼び方をしないようにお願いします。

ところで、日本国憲法には、第8章として「地方自治」に関する規定があります。このような規定は、天皇中心の明治憲法にはなく、現行憲法で設けられたものです。憲法92条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」となっています。では「地方自治の本旨」とは何かが問題となりますが、通説的な見解では「団体自治」と「住民自治」が挙げられています。「団体自治」には中央政府に対する自由主義的見地からの「権力の抑制機能」があり、「住民自治」には民主主義的見地からの「民主主義の学校」としての機能があると解されています。

これから見学するのは、まさに神戸市民が山下会員のような市会議員を通じて、「団体自治」及び「住民自治」を実現する場としての市会の会議場です。そのような意義を持つものであることを理解して拝見したく思います。