第17回例会

11月10日(木)12:30~

会長挨拶(山崎市雄会長)

「糞便療法」の「がん治療」への応用

痩せているマウスに太ったマウスの腸内微生物叢を移植すれば体重が増えることを示し、腸内微生物が宿主の代謝に影響することを米の研究チ-ムが証明しました。2021年2月「サイエンス」誌に掲載された米国とイスラエルの2つの臨床研究が世界に衝撃を与えました。

オプジーボなどの抗がん剤が効果のない悪性黒色腫患者に対しオプジーボが効いた患者をドナーとして腸内細菌叢の移植をすれば、イスラエルの研究では10例中3例、米国の研究では15例中6例で腫瘍が縮小しました。この臨床研究は「ネイチャー」誌では2022年7月に「腸内細菌が癌治療を促進する」と掲載され高い関心を寄せています。オプジーボなど免疫阻害剤は悪性黒色腫以外にも肺がんや胃がんなどにも有効なので多くのがんに有効である可能性が期待されています。

がんの発生に関して組織に感染する微生物の存在が明らかになりつつあります。2017年9月イスラエルの研究チームの研究でゲムシタビンという抗がん剤が効かない大腸がん患者113人のうち86人のがん細胞に腸内細菌の感染が検出されました。現在では腫瘍が生まれる環境の25%は癌細胞内などに寄生する腸内微生物で構成され、何らかの免疫反応を引き起こしていると考えられています。

丸尾研一PDGの一言 ロータリー研究会の準備について

公式訪問卓話要旨(阪上栄樹ガバナー)

クラブ会員の皆様さて、阪上年度も、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。私は、この年度に向けて、ガバナーノミニー就任以来、ロータリー並びに地区の現状について多くを学ばせて頂きました。地区研修協議会は3年ぶりに対面での開催が出来、今年度のクラブリーダーの皆様には思いをお伝えすることが出来たと思っております。

今年度のジェニファー・ジョーンズRI会長は、国際ロータリー119年の歴史で初めての女性会長です。国際協議会に先駆けて今年度のテーマ「Imagine Rotary」を発表されました。そして、次のように言われました。

「今の私たちはロータリーの創設者たちが推進したこと、つまりロータリーの中核的価値観、ロータリーの目的、そして4つのテストに根ざしているはずです。これらは私たちがロータリアンであることの根幹をなす原則です。時代が変わろうとも、この原則はロータリアンにとって神聖な真実であり続けるのです。」と。「昨日のことをイマジン(想像)する人はいません。それは未来を描くことです。」と締めくくっておられます。今期の地区運営方針の重点目標にはDEI(Diversity, Equity, Inclusion/多様性、公平さ、インクルージョン)の理解を深め、地区及びすべてのクラブに浸透させる。というのがございます。

このDEIの浸透はロータリーの危機管理と密接に関係しております。是非クラブにもDEI委員会を作って頂き、会員の皆様で考える時間を持って頂きたいと思います。DEIの原則を取り入れることで、会員としての経験を向上させ、同じコミットメントや価値観を持った人たちを惹きつけ、より大きなインパクトをもたらしていくことが出来るという事です。

多様性、公平さ、インクルージョンを強化するには、ロータリーで開かれたコミュニケーションや互いに学び合う協同的な環境をつくる必要があります。このような環境では、私たち一人ひとりが励まされ、価値ある存在であると認識され、それぞれが尊重され、成功と成長のために平等な機会が与えられます。ロータリーの新しいDEIの行動規範は、私たちの中核的価値観を反映しているだけでなく、ロータリー会員が協同的かつ前向きで、健全な環境をみんなのためにつくり、維持していく方法を示しています。今期の地区運営方針の重点目標にはもう一つ、会員増強を推進し、新しいタイプのクラブを創出する。というのがございます。当2680地区は7月初めで、ロータリークラブが70クラブ2522名です。その内女性会員の割合は4.81%と日本の34地区中最低の割合です。誰でも良いという訳ではありませんが、当地区において増強は喫緊の課題でございます。RI会長の方針でもありますので、特に女性と若い世代に的を絞って、会員増強に努めて頂きたいと思います。最初にも申しましたが、今年度のRI会長テーマは「Imagine Rotary」です。このテーマは非常に漠然としておりますが、逆に自由で創造的な活動を示唆していると思いました。

そこで、今年度の地区行動指針は“Lets’EnjoyRotary!!”「共にロータリーを楽しみましょう、ロータリーの明日に夢を込めて」とさせて頂きました。私の決めた今年度の地区行動指針も漠然としておりますが、思いは地区内全てのロータリアンの思いではないかと思っております。地区の役割は地区内クラブの支援であります。これからの1年、地区内クラブの皆様のお声に真摯に耳を傾け、ガバナー年度が終わるまで、しっかりとロータリーと向き合って参りたいと思っております。お互いに新しい仲間を増やし、奉仕と学びと親睦にと楽しいロータリーライフを過ごしてまいりましょう。そして、この年度が実り多い年度となります事を切に願っております。